ダウン症のお子様

ダウン症にともなう下肢の疾患

外反膝

一般にX脚と言われる疾患。
立位で両膝の内側をつけると内果(内くるぶし)に2種類以上のすき間があく。
レントゲン等でFTAを計ると明確にわかります。

外反扁平足

つちふまずが地面にぺったりついてしまう。立位で後方から見るとよくわかります。
踵の骨が外へたおれてしまうような状態。

外反扁平足になると膝関節面の外側に体重がかかり、外反膝になりやすいです。
また、外反膝になると足関節の外側に体重がかかり、足部は外反しやすいです。

どちらの変形が先に起こるのか、あるいは同時に変形が起こるのか、個人によって差はありますが相互関係は認められます。

反張膝

膝が後方へ反った状態。立位で側方から見るとわかります。
ダウン症では筋力の弱さ、関節の柔らかさによって、膝を後方へロックさせ荷重を 膝前方へ落とし立位での安定性を確保しやすくしているために起こる。
成長とともに大腿四頭筋の筋力が高まるにつれ、気にならなくなっていくことが多い。

足指変形

裸足での立位歩行で親指(第一指)と人差し指(第二指)との間が大きく開く事が多く見られます。
これは外反扁平足、外反膝、また筋力の弱さを補うために親指を開き、常に力を入れバランスをとっているためです。
痛みを伴わなければ、特に気にしなくてよいと思います。一つの特徴だと思って下さい。

ダウン症用装具

SMO

アメリカで主流の装具です。
つかまり立ちを始める時期から4~5才まで装着する事が多いです。

特徴

プラスチックで足部くるぶしをおおう。つま先はふみ返し手前でカットされアキレス腱は抜くトリミングライン。
内外果をおおうことで足部外反をかなり防ぐ。
動きを軽く抑制してしまうようにみえるがかなり機能的。
栗原補装具工房でも2015年開始より年30~40足(2018年)製作しています。
当初は強すぎる固定により動きを止めてしまい成長を阻害するのではないかと思われたが、 そのような心配はなく動きやすい。
機能的であり矯正がかなり期待できます。

インソール